よく見かける論争です。 かたや短期売買やFXは投機でギャンブルだが、 インデックスの長期投資はギャンブルでない、という意見。 株はゼロサムじゃないですしね。 かたや短期だろうが長期だろうが価値がどうなるかわからないもの に賭けるのはギャンブルだろうという意見。
これはギャンブルという言葉の響きが悪いのがややこしく、 どちらが正しいかは結局ギャンブルの定義次第でしょう。
価値がどうなるかわからないものに賭けることを遍くギャンブルと するなら後者の言ってることは正しいです。
価値がどうなるかわからないものに賭けることを遍くギャンブルと
オルカンに投資するということは世界経済は成長していくことに賭 けています。人類の生産性は長期的に上がっていくに違いない、 と。 近代以降今まで上げ下げはあるものの長期的に成長してきたと思う ので過去に関して言えばこの賭けに勝ってたわけですが、 これからの50年100年がまたそうなるかは誰にもわかりません 。成長していく可能性は高そうな気はします。 日々科学は進歩して、AIなんかも最近イケイケです。 でもある日核が人が住んでるどこかに落ちたりしたら急にわからな くなりそうですね。そんなことはそうそう起きなそうですが、 それを言ったらロシアのウ侵攻やコロナ禍は事前には誰も予測でき ませんでした。
ギャンブルは嫌い? 価値が上がる可能性はあっても下がる方に振れて損したくない。 じゃあ投資はやめて銀行預金しておきましょう。 で済まないのが問題です。なぜ? 預金保険があるので銀行が潰れても1000万円までは保証されま す。1000万預けて20年後、 利息だけで1500万円にはならないでしょうが、 500万円にもならないはずです。
金は本質的にある種の権利の量です。 自分以外の人間に言うことをきかすことができます。 居酒屋でその権利を行使すればつまみとビールを持ってきてもらえ ます。
日本円は額面が同じでも時間軸によってその権利量が変わります。 約20年前、マックのハンバーガーは60円で買えました。 今は170円です。60円では買えません。 これは時間経過で権利量が変わってしまった例です。 60円でハンバーガーを買う権利を持っていたはずが額面が変わら ないのにその権利を失ってしまいました。
重要なことは額面ではなく権利量であることがわかります。 1000万円あれば医学部でもない限り子一人の大学4年間くらい は賄えると思いますが、20年後は全く賄えないかもしれないし、 今より余裕で賄えるかもしれません。 どうなるかは誰にもわかりません。賄えない方に振れた場合、 銀行に預けていただけなのに損してしまいました。あれ、 これギャンブルやってないでしょうか?
問題は投資をしなくても銀行預金であれ家であれなんらかの資産を 持ってる場合、 既にギャンブルに巻き込まれているということです。日本円、 外貨、株、投信、インゴッド、同じことです。 このギャンブルから逃れる方法はただ一つ、 宵越しのゼニは持たないようにすることですが、 それは人生をギャンブルしてないでしょうか。 どちらかというとそちらの方がよっぽどギャンブラーって感じがし ます。どうせギャンブルをやらざるを得ないなら、 最もマシなものに賭けたいと思うのが人情ってもんでしょう。